Standard treatment.

Standard treatment.

#ヘイロー食 #宇沢レイサ #杏山カズサ

 杏山カズサは、宇沢レイサを正気に戻すため、彼女にヘイローを捧げていた。具体的に言えば、支障が出ない範囲で宇沢レイサに己のヘイローを食べさせているのだ。欠けて壊れたヘイローは他所から補って治す。それがトリニティ総合学園が結論付けた宇沢レイサの治療法。

 問題はヘイローを捧げる生徒がそう簡単に見つかるかという点であったが、このケースではたまたま偶然杏山カズサがいたのでつつがなく実行に移されることになった。

 カズサのヘイローが少しずつ唇で割られ、口内に運ばれてはポリポリと噛み砕かれる。十分に砕かれ小さくなった『杏山カズサ』が、レイサの細い喉を通り、胃に落とされて蠕動運動で揉みくちゃにされる。

 干渉装置で物理的な性質を帯びたヘイローは宇沢レイサの胃液にドロドロに溶かされて、それと同時に杏山カズサの理性を蕩けさせるような快感が全身に走る。

 ともすればヘイローを全て貪って欲しいと懇願しかねないほどの快楽。先生や救護騎士団の見張りもあるが、それでも杏山カズサは腰を跳ねさせ下着をぐしょぐしょに湿らせながら歯を食いしばって耐えていた。

 ぱりっ。ぽりぽり。

「ひぐっ♡お゛お゛っ♡♡とけるぅぅぅ……♡♡はへっ、へっ、ほぉっ♡しゅごっ♡とけりゅ♡ばかになるのおっ♡うざわっ♡もっとたべて♡♡わたしを、ぜんぶっ♡♡あぐっ、だめだめ、うそっ♡たべないでっ!だめだからね!」

「……ふーっ、ふーっ。わかってます、わかってますから。我慢してください。杏山カズサ、わたっ、しも……んぉっ♡結構辛いんですよ」

 実のところ、我慢しているのは宇沢レイサも同じことだ。割られて分たれたとは言え、ヘイローはヘイロー。悶え苦しむほどの快楽を感じている杏山カズサと一瞬でも吸収し、同化するのだから堪ったものではない。絶頂の寸前で同化が済んでしまうため、延々と寸止めを喰らっている状態の別種の苦しみだ。

 へこへこと撒き散らされる雌の匂いが、ヘイローを噛み砕く感覚が、情けないカズサの声が、快感を惹起させレイサの興奮を煽る。

 このままこいつのヘイローを全部噛み砕いてやろうか。そうしたら絶対に気持ちいいのに。そんなことを思いながらも、宇沢レイサは実行には移さなかった。

 監視の目もあるが、それ以上にこうやって焦らされ続けた後、とろとろになったカズサをホテルに連れ込み、お互いに腰が砕けて立てなくなるまで身体を重ねるのが最高のストレス発散になっていたからだ。こうやって情けないところを晒したのを後から教えて恥ずかしがる姿を想像するだけで胸がすく。



 まだまだ歪んだ形だが、次に何をしようか将来に希望を持ち、自身が何をしたいかの主体性を持った宇沢レイサは少しずつまともになっていっていた。


「杏山カズサ、今日もぐちゃどろにしてやりますからね……」


 まだまだ、歪んではいるのだが。

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